SOUND
「待て。」
無視して正門を潜り抜けようとした時だ。
目の前に現れ出て来たのはもう一人の男の人。頭上から聞こえてくるまるで冷め切っているような冷たい声は何処かで聞いた事があるのを思い出す。
ああそうだ。昨日の人だ。
それはすぐに分かる事だった。
「もー酷いよぉ。俺の事無視するなんて」
素通りしたもう一人の男の人をふてくされながらだがやってきて私達の斜め前へとまだ移動し始めた。
私なんかしたっけ?何か恨まれるような事しましたっけ?
そりゃあ心当たり位は………残念ながらあります、はい。
バイクの音が五月蝿いから注意して、それで警察に電話する真似して(此処から馬鹿な事をしていたんだなと渋々思っていたのは内緒にしてほしい。)それで……
「…おい、聞いてんのか?」
「…っわ、ご、ごめんなさっ……」
怖い。本当に正直言って怖い。
上向いた時に少し顔見えたけど何が怖いって、そりゃああの目つきです。ギロリって、ギロリってこっち見てる…!
どうしよう、このままサンドバッグにされたりしたら…!
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