あわ玉キャンディ



「気に入らなかった?」


ただびっくりして。

何も言葉を発しようとしないあたしに、霧崎さんが不安げに問う。


あたしはふるふると首を横に振るしかできなくて。

その動きと一緒に、胸元に光るドロップ型のペンダントが揺れる。



「....なんで、泣いてんの?」


今日の霧崎さんは、優しい。

あたしの瞳から溢れ出す涙をそっと拭う手つきさえも、ひどく優しい。




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