あわ玉キャンディ
「えー、いいじゃんっ。
最近別れたんでしょ?」
「...まあ、そうだけど」
あの男を思い出すと頭に浮かぶのは、やっぱりあのブルーの瞳。
あれから一か月。
街に出かけてみても、当然だけど、彼にばったり会うことなんて一度もなかった。
友達といても、通り過ぎる人をまじまじと見ちゃうこの頃のあたし。
もう一度、会いたい。
会いたくて仕方なかった。
失恋したばかりなのに、あの人のことばかりを考えてしまう。
多分、恋をしてしまったんだと思う。
年齢も、どこに住んでいるかも、
名前さえも知らない彼に。
普段のあたしならありえない。
全く知らない人に恋するなんてこと。
でもこの恋は真っ暗だ。
何も知らないから、いつ会えるかもわからない。
むしろ、
会えない可能性のが高いんだから...