あわ玉キャンディ
「ちょっと、和花っ。
聞いてるの?」
「ああ、ごめんごめん」
睨みを利かせた楓の大きな瞳があたしを捉える。
ぷくっと膨らませた頬のピンクのチークがキラキラと輝く。
「今回の合コンはレベル高いんだって!
だってあの青大生だよ?」
青大生と言えば、ここらへんではトップクラスの大学のエリート生だ。
青大生と付き合ってるとか言ったら、この女子大でかなりの自慢になるくらいに。
ホント、楓の人脈には感心するよ。
″青大生″というワードはあたしにとってもものすごく魅力的だけど、やはり合コンする気分にはなれない。
今は青大生の彼氏よりも、
あのブルーの瞳の彼が欲しいんだもの。
「やっぱやめ「一生のお願い!」」
断ろうとしたあたしの言葉の上から遮られる。
今まで楓の合コンの誘いを幾度となく断ってきたけど、一生のお願いなんて初めてだ。
両手のひらを合わせて頭を下げる楓の勢いに、あたしは思わず尻込みした。