あわ玉キャンディ
あたしはスカートを翻して、帰路に着いた。
ここから霧崎さんのマンションまで、そう遠くはない。
霧崎さん、もう帰ってるかな?
それにしてもビーフシチューが好きなんて、なんかカワイイな。
あたしの独断だけど、喜んでくれるよね?
ご飯作ったとき、ちゃんと食べてくれる人だし。
話してて判明したことだけど、里内さんが料理得意なんてもっともっと意外。
料理が得意な男の人なんて、あたしの周りにはいないからな...。
って、あたしの周りの男の人なんて数少ないんだけどね。
徒歩15分。
霧崎さんのマンションが見えてきた。
バックの中の合鍵を取り出す。
こうして霧崎さんのマンションに帰ってこれるようになるなんて。
嬉しくなって、口元がつい綻んだ。