あわ玉キャンディ
霧崎さんの気持ちが見えない。
...何も分からなくなった。
霧崎さんはそんな人じゃないって信じてたのに。
何を思って、キスしたの?
何を思ってキスしてたの......?
霧崎さんの『好き』って何?
「せいぜい頑張りなさいよね?」
フっと嘲笑して、エントランスへと向かう黒のピンヒール。
エントランスのドアが開いて、女の人が出て行こうとしたとき。
「あたしは、そんな軽い気持ちでキスしたりなんかしない。」
あたしは無意識に叫んでいた。
同じこと思ってるって、勘違いしないでほしかった。
キスはそんな気持ちでするものじゃないって、ただ主張したかっただけだった。