あわ玉キャンディ
「別れて下さい」って言ったあたしに、
霧崎さんはしばらく黙って「わかった」と言った。
理由さえも、聞いてはくれなかった。
今にも溢れ出しそうだった涙をぐっとこらえて、胸元のアクアマリンのネックレスをはずして机に置いて、小さなバッグを引っ掴んで...
あたしは霧崎さんの部屋を出たんだ。
もちろん、追いかけてきてくれもしなかった。
もう、終わったって思った。
別れは、びっくりするぐらいあっけなくて。
悲しくて悲しくて、胸のズキズキが今もあたしを苦しめている。