あわ玉キャンディ
エレベーターが着いたとき、チンって鳴る音も
見える街の景色もいつもと変わらないけれど。
ココは確実に変化していて、一ヵ月前で止まったあたしの記憶とは違っていた。
...ない。
『502 KIRISAKI』のプレートがない。
確かに、あったはずなのに――。
得体の知れない不安が、あたしを襲う。
ふと脳裏に、ある言葉がよぎった。
――″もう会えなくなるかもしれない″
大丈夫だよね?
きっと、ここにいてくれてるよね――?
不安に胸が波立つのを感じながら、ドアノブを回した。