あわ玉キャンディ


買い物を終えスーパーを出て、楓とふたり並木道を歩く。

あたしも楓も、両手にパンパンの袋を提げて。



――霧崎さん、元気かな?

ふとしたとき、いつも思ってしまうんだ。



霧崎さんがいなくなってから、数か月。


あたしはいろんなことを知った。


あの合コンは、実はあたしと霧崎さんをくっつけるために企画されていたものだったということ。


里内さんの彼女が楓の友達で。

里内さんと楓は、ずっと前から顔身知りだったらしい。

気になってるヤツがいるって霧崎さんが里内さんに話した、気になってるヤツっていうのは嬉しいことに、あたしで。

里内さんが偶然にも楓に聞いてみて、当たりで...。

合コンを企画することに決めたんだって。


合コンのとき、あたしと霧崎さんを仲間はずれのような形にしたのも、わざとだったらしい。

まぁ、楓とレイさんが付き合うようになったのは、企画してなかったんだろうけどね。




そして、ほんのつい最近...

――楓とレイさんは、婚約をした。


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