あわ玉キャンディ


――合コンってこんなもんか。

自己紹介からだいぶ経った頃。


あたしと霧崎さんを除いて、他6名はぺちゃくちゃと世間話や恋話に花を咲かせていた。


関西弁さんとメガネさんとゼロさんは、楓たちと同じく、合コンをし慣れているようだった。

ときどき、話を振られてあたしも話に入るけれど、やっぱり合コン初心者のあたしはテンションに乗り切れない。

あたし、ガチの人見知りだな。


霧崎さんの方をチラチラと見てみてるけど、霧崎さんは一切口を開かずに、飲み物に口を付けている。


霧崎さんと一緒の空間にいられるのは居心地が良いけれど...

暇だし、帰りたい気分になってくる。


霧崎さんに話しかけようにも、話しかけんなオーラがムンムンでヘタレのあたしには到底無理だ。


冷たいウーロン茶を飲んでいるうち、トイレに行きたくなってあたしは席を立った。


「ちょっと和花ー。どこ行くの?」


青大生とイイ感じの楓は上機嫌。

いつも以上にニコニコしてる。


「ちょっとトイレ行ってくる」

「りょうかーい!」


そう言って、話に戻る楓を見届けて、化粧室に向かった。






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