あわ玉キャンディ


...何の用だろうか。



あたしを見据える、ブラウンの瞳が鋭い。

何を思っているのか、全くと言っていいほどに読めない。


あたしはヘビに睨まれたカエルのように、身動きひとつできずにいた。



「抜けねーか?」


「...は?」



突然開いた薄い唇。

意味がわからなくて、可愛らしくない聞き返しをしてしまった。



「つまんねぇだろ。抜けね?」


「抜けるって...」



帰る、ってことだよね。



「はい。」



あたしは数時間後、

″抜けた″ことを後悔することになる。



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