あわ玉キャンディ
「...うっせーな。
もう部屋着いたし、拒否させねーから」
「......ひっ」
二ヤリと不敵な笑みを浮かべた彼が、
黒いツノがぴょんと生えた悪魔に見えた。
決して入るまいと部屋の真ん前で踏ん張るけれど、びくともしない強い腕にずるずると連れ込まれる。
「やめてってば!
そういうつもりないからっ」
大体、あたしは許可した覚えはない!
抜けるイコールラブホなんて方程式、
あたしは存じ上げませんからっ。
「もう黙れば?」
「......ったい」
勢い良く壁に体を押し付けられて、ジンジンと背中が痛む。
「良くしてやるから」
「なに言っ........んんっ」
鋭いまなざしに捕えられ、反抗し続けるあたしを黙らせるかのように、唇が塞がれた。