あわ玉キャンディ


「...うっせーな。

もう部屋着いたし、拒否させねーから」

「......ひっ」


二ヤリと不敵な笑みを浮かべた彼が、

黒いツノがぴょんと生えた悪魔に見えた。


決して入るまいと部屋の真ん前で踏ん張るけれど、びくともしない強い腕にずるずると連れ込まれる。



「やめてってば!

そういうつもりないからっ」


大体、あたしは許可した覚えはない!

抜けるイコールラブホなんて方程式、

あたしは存じ上げませんからっ。



「もう黙れば?」


「......ったい」



勢い良く壁に体を押し付けられて、ジンジンと背中が痛む。


「良くしてやるから」


「なに言っ........んんっ」



鋭いまなざしに捕えられ、反抗し続けるあたしを黙らせるかのように、唇が塞がれた。









< 30 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop