あわ玉キャンディ
「とりあえず立てよ」
じわりと涙を滲ませながら、
大きな手を受け取る。
握ったその手は、
カイロみたいにあたたかかった。
キレイ――――――
立ちあがってそのあたたかな手の持ち主に目線を合わせると、
涙でじんわり滲みながらも見えた、
透き通った深い、ブルーの瞳。
刺すような鋭い目力に圧倒される。
もうひとつ、圧倒されたのは...
キリリと吊り上がった眉に、シャープな顔のライン。
その計算し尽くされたような端正な顔立ちに、色素の薄い髪。
目の前の男の人に見入ってしまって、
鳩が豆鉄砲を食ったように、あたしは言葉が出なかった。