あわ玉キャンディ
あたしがそう問うと、
はっとして顔を上げた霧崎さん。
「いや、別に」
食べるのに夢中になっていたのか、焦ったように返事をする。
別に、って...
おいしくも不味くもないってことか。
自信、失くすんですけど。
「......いけど」
「え?」
「...うまいよ」
「.........」
その一言に言葉を失う。
当の彼は、何もなかったかのように、平然とお味噌汁をすすった。
あたしは何故かドキドキドキドキして、
震える手でご飯を口に運ぶ。
――――嬉しい
自分の作ったものを、おいしいって言ってくれることが、こんなにも嬉しいことだったなんて。
しかもしかも、霧崎さんに。
柄にもなく、照れてしまう。
多分あたしの頬は
熟れたリンゴみたいに真っ赤だろう。
――どうか、気付かれていませんように。