あわ玉キャンディ
もっとちょうだい
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「...おかえりなさい」
夜7時過ぎ。
ガチャリとリビングのドアが開く。
「..ん」
あたしは今日も彼を招き入れる。
薄手のジャケットを脱ぎ捨てて、三角座りをしてるあたしに近寄る彼。
そしてあたしの真後ろに座って、後ろから抱きしめられ、
軽く作ったあぐらの中に座り直させられる。
ひと息ついた彼は、長いしなやかな腕を伸ばしてテレビのリモコンを手に取り、ポチっと電源を付ける。
これはいつものことで、もう慣れた。
あたしの体は、大きな霧崎さんの体にすっぽりと収まる。
この何とも言えない時間が好き。
もはや、
あたしの好きな時間ナンバーワンなのである。