あわ玉キャンディ
「いい匂いがする」
せっかく付けたテレビをブチっと消して、耳のすぐ近くで囁かれて。
その艶めかしい声色にドキリとする。
「お風呂、入ったから...」
そう返すあたしを、ゆっくりと振り向かせる。
そして、絡み合う視線。
この澄んだ瞳が好き。
見つめていると、
吸い込まれてしまいそうになる。
彼は、ゆっくりと目を閉じながら、顔を近づけてくる。
――ああ、キスされる。
無意識的にあたしが目を閉じたとき、
やわらかいモノが触れた。