あわ玉キャンディ
――キスは、嫌いだった。
キスしようと目を閉じる相手の顔が、普段とは全く違っていたから、違和感を覚えた。
そして、キスされるまでの沈黙が大嫌いだった。
数秒後唇と唇が重なって、
無理矢理舌を入れようとする行為に嫌悪感を覚えた。
唇が離れても、気持ち悪さが当分消えなかったんだ。
汚れた、そんなことを感じた...
それが、早すぎたあたしのファーストキス。
―――でもこの人とのキスは、違う。
唇が重なるまでの沈黙さえ、ドキドキして。
奪うようなキスも、
優しく労るようなキスも...
もっとして欲しい、と思ってしまうの。