あわ玉キャンディ


多分、あたしは振られるだろう。


――それが、怖い。


もうあたしには、

霧崎さんなしの生活は考えられないの。


想いを伝えて、振られたら...

霧崎さんはきっと離れてしまう。

そして、他の女の子を探すだろう。

はっきりと割り切れる、女の子を。



そんなのは嫌。

考えられない。


離れるくらいなら...

今のままでいい、と思ってしまう。


また彼が部屋へ来るようになったら、

あたたかい彼の胸に包まれて、

キスを交わして、

抱き合って―――

それで、いいんじゃないかって...





それが、彼のいない冷たい部屋で

出したあたしの答えだった。




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