あわ玉キャンディ
≪3≫
溢れ出す想い
頭から離れてくれない―――
あの光景が。
覚束ない足取りで、帰路を歩いた。
とめどなく溢れる涙を拭いもせずに。
...バカみたいだ。
きっと、あの人が本命――
あたしは、ただの遊びで。
きれいな、人だったな。
上品なオーラを纏っていて、来ていた服も上品で、美人で、育ちが良さそうな、大人な女性。
あたしなんて、比べ物にならない。
ひどく、お似合いに思えた。
霧崎さんだもの。
あんな恋人がいて、当たり前のこと。
あたしは、
何を期待してたんだろう―――