あわ玉キャンディ
好き、だなんて...
好きになってほしい、だなんて...
思うこと自体、間違ってたんだ。
勘違いも甚だしい。
あんな素敵な女性がいるなら、
もう多分部屋には来てくれないだろう...
今まで通り、
抱いてなんかもらえないだろう。
こんなに辛いなら――
好きだ、なんて...
気付かなければ良かった。
嫌いになれるものなら、嫌いになりたい。
でも。
今のあたしには...
彼の嫌いなところなんて、わからない。
確かに、あったはずなのに。
見つからない。わからない。
激しく求めた、腕も。
初めて会ったときの優しさも。
あたしを見つめる、まなざしも。
体に触れたり、テレビのリモコンに伸ばす、しなやかで長い指さえもすべて...
こんなに、好きなんだもの―――