あわ玉キャンディ


なんで...

なんでいるの?


さっきまできれいな人と腕組んで笑ってたのに。

あたしのこと見て、

表情ひとつ変えなかったくせに。

赤の他人みたいに通り過ぎて行ったくせに。


「...なんで」


いつもみたいに、ソファにどかんと座り込んでいる。

ブラウンじゃなくて、深いブルーの―――



「なんでいるの?」




あたしを真っ直ぐ見つめている。


これは夢かと思うくらいに、信じられない。


でも。

切に願っていた、―――愛しい姿。



< 66 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop