あわ玉キャンディ
ソファへと体を倒される。
目をそっと閉じると、ふとかすかに霧崎さんから香水の香りが鼻を掠めた。
いつもはこんな香りしない。
柑橘系の香りが好きなあたしが、こんな香水つけるはずもない。
甘いフローラルの花の香り...
久しぶりの霧崎さんのキスに酔いしれながら、泣きそうになった。
嫌いではなかった香りなのに、今は嫌い。
大っ嫌い。
憎らしくてたまらない...
堪え切れずに、涙が一筋流れるけれど。
キスに深みを増す彼は、気付きもしてくれない。
当たり前。
霧崎さんは、
あたしのことなんか好きじゃない...