あわ玉キャンディ
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隣で眠る、彼を見つめる。
この人を、ひどい人だと思うのに。
なんでそれ以上に好きなんだろ。
こんな愛のない行為...
いつまで続けるつもりだろう。
霧崎さんが眠っているのをいいことに、少し乱れた髪に触れた。
細くて、きれいで。
触り心地が良い。
そう言えばさっき、ベッドに来たとき。
瞳がブラウンに戻ってた。
やっぱりカラコンだったんだな。
あたしがこの人について知ってることなんて、ごくわずか。
青大2年、経済学部、霧崎 藍。
ホストをやってるらしくて。
改めて考えてみれば、これだけ。
出会って、こんな関係初めて、もうおよそ一ヵ月は経ったけれど。
霧崎さんは自分のことを語らない。
それだけで...
あたしの心は苦しくなる。