あわ玉キャンディ
「......やる」
ぶっきらぼうにそう言って、彼が何かをあたしの手のひらに乗せる。
それは、あの日...、くれたものと同じ。
しゅわしゅわソーダとしゅわしゅわグレープ。
小さな、ふたつのあわ玉キャンディ。
「これ、好きなんですか?」
「まあ、それなりに」
そんな会話をして。
グレープの方をポケットに入れて、ソーダの包みを開ける。
青みがかった白のソレは、
口に入れると、しゅわしゅわと溶け始める。
そして、ソーダの甘いけど甘すぎない味が口の中いっぱいに広がった。