あわ玉キャンディ
どうかこのままで
「........わぁ、」
やっと霧崎さんが車を止めたのは、
日が沈みかけてる海の、砂浜だった。
車を降りたあたしは、急いで海に駆け寄る。
ここのあたりはビルなんてなくて。
もう夕方だからか、人気もない。
「海なんて、久しぶり」
真っ直ぐに水平線の方を見つめながら、呟く。
「海、好き?」
いつの間にか霧崎さんがあたしの隣にいて。
「泳ぐのは嫌いだけど、見るのは好きです」
そう答える。
日に照らされてキラキラ光る海が少しまぶしくて、目を細めた。