サヨナラをキミに
ひょいっと横から俺を覗きこんだ高田さんはニヤッと笑って


「今、舌打ちしたでしょ?」


「だって腹立つんやもん。」


ここ半年で高田さんとも普通に話せるようになった。

別に特別仲がいいわけではないけど。


俺はイライラしながら椅子にドカッと座り、小さな机を挟んで高田さんが立っていた。


「何があってそんなイライラしてるの?」


顎に手をあて少し首を傾げた。


「だって俺入れ替え担当になってまだ三回目やのに
社員は出来て当たり前みたいな言い方するんですよ!」


月に何度か新台を入れる作業がある。

それを入れ替えと呼んでいるのだけど、俺はその作業の担当になった。


「前の担当からたいして引き継ぎされてないもんね。」


「マジ社員うざいっすわ。」


持っていた店内飾付け用のポップを机に投げた。


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