サヨナラをキミに
今が話しかけるチャンスじゃないか?
そう思って声をかけようとした。
「…あっ」
「美和姉ぇー!これどうしたらいいんー?」
見事に俺の声はかきけされた。
「どれー?」
小走りで走り去っていく高田さんの後ろ姿を見送りながらため息が出た。
それから作業が終わっても話すことは出来なかった。
まぁ自業自得なんだけど。
終礼が終わり缶コーヒーを買いながらカウンターを見ると
高田さんと社員の坂井さんが話していた。
「〜だからね!」
男の社員に食って掛かるように何かを話している。
時折笑っているのを見るとトラブルでは無さそうだ。
でも…
時折聞こえる
『大沢』
という俺の名前…。