サヨナラをキミに


そしてまた、終礼後に坂井さんと高田さんが話していた。


でも昨日と違うのは明らかに高田さんが怒っていた。


高田さんはクルッと振り返りこっちへと歩いて来て俺の腕を掴んだ。



俺を見上げ真っ直ぐな眼で。



「ごめん!」


「…え?」


何にたいしてのごめん?

昨日の事にたいして?


腕を掴む小さな手にギュッと力がこもった。





「昨日…入れ替えやったやん?」


高田さんは申し訳なさそうに話始めた。


「担当…変わったばっかりやったのに、完璧を押し付けるのはおかしいって坂井さんに言ってて…」


いつも明るい高田さんが
眉をハの字にして
ポツリポツリと話をする。



その話を聞くと全部
俺の勘違いだった。



昨日の2人の会話は悪口でも何でもなく


もっと俺が仕事をしやすくするための提案だった。




「でね、大沢くんは良い子やのに機嫌が態度に出るやん?
それって勿体無いって話したん。」



良い子?
勿体無い?


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