届かない想い。



『美結、頼むから…来てくれ…』

「……ヤダよぉ…」


病院なんかで、会いたくない…


「隼から連絡来るもん…」

『み…「あたしは!!隼からの連絡を待つの…」


『………………、わかった』



プツ…――プー…プー…――


「事故なんて…嘘だ…」



隼じゃない。


隼に似た…別の人だ…



「美結?」

ビクッ―――


「お母…さん…」


どうしてお母さんが?
さっきまで寝てたんじゃ…


「目覚めちゃった。」

「あ…ごめんなさい…」



きっと、あたしの声で起きたんだ


「美結の声じゃないわ。自然と目が覚めたのよ。」



優しく微笑むお母さん

「………―――ッ!!」

「美結……?」



なんだか、お母さんを見てたら自然と涙が出てきた



「ごめっ…何にもない」

「美結、病院行こう?」

「……―えっ!?」


お母さん、どうして…?


「優から連絡きたの。美結…行こう?」


「ふぇ…ヤダ…」

「…ねぇ美結、今行かないと会えないよ?きっと後悔する。それでもいいの?」


「………、」


“後悔”


「後悔…したくないよっ…!」


今までも散々後悔してきたんだもん


もう…後悔はしたくない…


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