難しい恋は遠慮させてください

｢なんかさーおかしくない？｣

一通り話し終えると、愛美がため息混じりの冷めた目で言う。

｢風間家の場合、片付けるの一週間もかからなかったよ？それこそデカい家なのに｣

き…規模が違うｯ！

さすが私立！

金持ち学校！

次元違いすぎて返事できません！

｢深川の家って金持ち？家デカい？｣

愛美は当たり前のように聞く。

｢ふ…普通だと思うけど…？｣

｢じゃあ一週間もかかるはずないよ！｣

｢でもさ…っ｣

私は必死になって深川をかばった。

…あれ？

なんで私こんなに深川をかばわなきゃいけないの？

私…バッカじゃない…？

なんか笑えてきた。

｢…リオ大丈夫？｣

愛美が真面目な顔をして私の顔を覗き込んでる。

｢な…にが…？｣

私は自分で自分の声に驚いた。

うわずって、つっかえて…

まるで泣いているときの声みたいじゃん。

｢なにがって…泣いてるじゃん…｣

泣いてる？私が？

まさか…

私の頬に何か冷たい存在があるのに気付いた。

目元をこするとしょっぱい水が手に付いた。

…あれ、おかしいな？

鼻の奥がツーンとする

視界がぼやけてきた…

｢笑ったまま泣くなんて…。そんなに我慢しちゃダメだよ｣