難しい恋は遠慮させてください
私…笑ってるんだ…

こんなときでも笑顔なんて私バカみたい…

昨日フラれた時だって涙なんて出さなかったのに…

私はこんなことで泣く弱い子じゃないのに…

私は小さな子供のように愛美の腕の中で泣いた。

「そんなに我慢しなくてもよかったのに…」

愛美はそう言って私の頭を撫でてくれた。

「深川ちゃんと謝ってくれた?」

私は愛美の腕の中で頭をふるふると横にふった。

「私に悪いことをしたみたいな感じなメールだったけど、ごめんとかそう言うのはなかった…」

「なにそれっ!?深川サイテーじゃん!
私深川に文句言ってやろうか?」

愛美は自分のことのように怒ってくれた。

それが私にはうれしくて少しだけ元気が出た。

「いいよ…。私が悪いからそんなことしないで…」

「でも!」

「私もう平気だから!」

私は立ち上がってかかとで半回転して愛美を見ると「ほら!」というように笑ってガッツポーズをとった。

「ねっ」

ニッと口角を横にのばして笑ってみせた。

もちろん涙を流さないように

「あまり強がらなくていいのに…」

愛美は苦笑した。




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