難しい恋は遠慮させてください
それから時が流れるのは早く、もうすぐ球技大会。

私のクラスではもうみんなやる気満々で毎日のように練習を始めた。

女子はバレーボール。

男子はソフトボールとバレーボール。

競技に出る人はみんなの中でうまい子を選手に選び補欠を作った。

私はもちろん補欠。

足を引っ張りたくないし…

それでも私は選手に近い補欠だった。

そのことをメールで伊島先輩に愚痴を言っていた。

その頃には、伊島先輩とも仲良くなっていた。

【でもどーせ試合に出るなら
髪の毛切っちゃいなよ(笑)】

【なんで
そーなるんですか!】

【だって俺
ショーと好きなんだもん(笑)】

先輩のそのメールを見て少しキュンときている自分に驚いた。

自分の髪の毛を掴んでみる。

胸まである長い髪。

くるっとまわった毛先を顔の前まで持ってくると私は思った。

「髪…切ろうかな…?」

球技大会当日。

私は愛美との待ち合わせ場所に来た。

「愛美ー!おっはよー」

私の声に気付いて愛美が振り返って私を見た。

「おは…ってリオ!?かっ髪の毛!」

愛美はとても驚いた。

私は胸まであった髪をあごよりも少し高いところまで切った。

毛先が私のほおをくすぐった。
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