難しい恋は遠慮させてください
「えっ!?待って待って!
愛美も帰るの?」

私は隣にいた愛美の裾を引っ張った。

「うーん帰るかなぁ…?」

愛美は私と目を会わせないでいる。

明後日の方向にむいている視線は、千夏先輩をちらっと見ていた。

━━いっ…いやな予感……

「愛美ちゃんも帰ろー?
私もう今日は楽器教えられないし!」

千夏先輩が主犯か…

「千夏せんぱーいっ
一緒に残りましょうよぉー」

私は千夏先輩の背中に抱きついて少し説得してみた。

千夏先輩はそんな私の顔を見てにたぁと笑った。

「ほぉら〜ドラム同士二人のほうが練習しやすいじゃ〜ん?」

うっ……
この人なにがなんでも二人きりにさせるつもりだよ…

「でも他のパートもいたほうが楽しいじゃないですかぁ」

私も負けじと反論した。

「そんなこと言わないでさ!
私達はもう帰るからっ!
じゃあね〜」

楽しそうに笑って私と伊島先輩以外の部員たちは帰っていってしまった…

私…取り残されたの…?

そっ…そんな!?
そんなそんなそんなそんな!!??

だって…
男子と二人きりなんて…
男子と二人きりなんて…
男子と二人きりなんて…!

絶対イヤだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
(主人公はこれでも男嫌いです)

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