難しい恋は遠慮させてください
―10分経過―

私と伊島先輩の間には異様な空気が流れていた。

私と伊島先輩との距離は約2メートルくらい。

先輩も私も近づこうとしない。

それが余計に気まずい。

そのうえ、ドラム大好き人間のあの先輩がドラムに近づきもせず、部室は時計の音しかしない。

なぜ、こんな気まずい状況になったぁぁぁぁぁ!!??

伊島先輩はしゃべらないし

チラチラこちらを見るだけで声もかけてこない。

こっ…これは私がやるしかないのか?

私がどうにかするしかないのか?

…っでも!

どうやって男子と話したらいいんですかぁぁぁ!!?

よくしゃべる奴が相手ならまだしも、相手が無口じゃ…

私はチラッと先輩を見た。

先輩は私を見ていたことに気付かれたと思ったのか、照れくさそうに視線をそらした。

私はゆっくりと先輩に背を向けた。

誰に見せるわけでもないが、ほほえんでいた。

━━ノオオオォォォォォ!!!!

どうしろってんだ!?

なんだあの乙メンは!!?

ムリムリムリムリ!!

私には手がおえません!!

Help me!!

もう白旗ぶんぶん振り回してしまいたいぞこのやろぉぉぉ!!

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