難しい恋は遠慮させてください
事件は突然起きた。

それは私がお気に入りの恋愛ドラマを見ている時だった。

私のケータイから聞き慣れた着信音がした。

「伊島先輩からメールだ。」

それはいつもとかわらない、他愛のないメールだった。

しばらく雑談を続けると、最近定番になってきてしまった一言を先輩がいった。

【話題なくなっちゃった
なんか話したいことない?】

このメールにはいつも悩まされる。

最初はヒマから始まって最後は私頼み。

先輩と話すのは楽しいが、トーク力のない先輩は私に頼り気味。

まぁ、私がひっぱらなきゃダメなんだろうな…

話題を考えていると、ドラマの中で主人公が片想いの相手に好きな人がいるかとメールをしているところだった。

━━そーいえば結局、伊島先輩の好きな人って誰なんだろ?

気になった私は気持ちをそのままメールに託し送った。

【またその話!?

何でそんなに知りたいの(汗)】

【別にいーじゃないですかぁ

今の相手との心境ぐらい
教えてくれたって(笑)】

悪ふざけで先輩を追求していると先輩が変なことを言い出した。




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