ストレート【調整中】
雨が散らつきながらも
試合開始となった…。
三回まで
兄のチームは
キリのボールに擦りもせず、抑さえられていた。
速いストレートを中心とする桐の投球は、コントロールも良く
何より強気の真のある投球に
野球をする者ならもちろん、観客や野球を知らない者までも
魅了した。
桐のボールは
衰える事をしらない。
それどころか
回を増すごとにどんどん速くなっている様に感じた。
桐の無限大の力に
息もするのも忘れて、あたしは見いる。
兄達は
相手の強い打線にも
何とか一点で持ち構えていた。
四回表
兄のチームの攻撃。
2番、三振。
3番、四球。
雨が強くなる。
足場がぐらつき、体力を消耗する。
そんな中で桐のコントロールは悪くなっていた。
そして
四番、兄。
一球目、ストライク。
二球目、ボール。
三球目
雨で手が滑ったのだろう。
甘いど真ん中。
兄はこのチャンスを
逃さなかった。
バットに捕らえられた白球は
空で綺麗なアーチを描く。
結果は
場外ホームラン。
2対1
兄のチームの逆転となった。