ストレート【調整中】
公はリトル時代
公の兄さんの妹ということで知り合った
野球が好きな女の子だった。

泥だらけになりながらも
白球を必死に追う少女の背中は
今でも瞳に焼き付いている。

本当ならグラウンドに相応しくない
少女の姿は
そこら辺の少年たちより
ずっと相応しく見えた。


公は
俺の野球を好きだと
言ってくれた
女の子。


―――

「あたし、橘選手の野球大好きです!!」

―――

俺の瞳を放さない、
真っ直ぐな瞳が印象的だった。

恥ずかしい台詞を
あまりに真剣に言うもんだから、
こっちが恥ずかしくなった。

照れた様に
「ありがとう。」
って言うと

伝わって満足そうに
嬉しそうに笑う
宝石みたいな女の子。

その辺の着飾った女子たちより
とてもキラキラした

いつも泥だらけの女の子。


汚れても
汚れても

輝き続ける女の子。

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