ストレート【調整中】
「やっぱ、あの試合引きずってんだな…。」
止めろよ。
「あれは桐じゃなくて俺のせいじゃないか!桐がコントロール悪くなってるの知ってて…」
何、一人で盛り上がってんだよ。
「早く決着付けたくて、俺がストレート欲求したから…。キャッチャーとして最悪……」
―ガンッ
金網に手を打ち付けた。
血が滲む。
痛みなんか、感じない。
俺のせいとか、誰のせいとか
そんなんじゃねぇんだよ…。
里央が、目を見開いて俺を見る。
「…自惚れんなよ、何が俺のせいだ。」
苛立ちが止まらない。
そして
ひどく喉が渇く。
雨に打たれているはずなのに
身体は火照り、
熱を増していく。
溜まっていたものが
一気に破裂しそうだ。
冷静になれない。
「野球、野球、うるせぇよ!」
駄目だ、これ以上
制御できない。