ストレート【調整中】
あたしの
途切れ途切れの言葉を
嫌な顔せず
時には相づちを打ちながら
何も言わずに聞いてくれた。
「…保健医ねぇ。」
里央の口元が上がる。
…この顔、知ってる。
マウンドでの表情だ。
彼はキャッチャーというチーム内の策士。
危機であったり、相手が強かったりする程、里央はこうして口元を上げ、笑っていた。
「公の事知ってるなら、俺のことも知ってるかな。」
「え…うん、多分。」
「そっか。」
不敵な笑みを見せ、あたしに微笑みかける。
「俺、推薦蹴ってこの無名校に入ったんだ。……桐と野球するために。」
そうだろう…。
里央ほどの選手が推薦が来ない方がおかしい。
ましてや、この無名校にいるなんて、おかしいのだ。