夕暮れキャンパス
案の定外でちょっと怒ってるらしい春の顔。
「おせーよ!
ほら、手ぇ真っ赤じゃん。」
そういって突き出される春の手は
冬の寒さにさらされて、指先が可哀想なくらい真っ赤になってた。
「いや、あたし知らなかったし。
来るならもっと早く言ってよ。」
あたしがそう言うと
いいじゃんかよ別に、とかボソボソ言って
拗ねたように唇を窄ませ下を向く春。
・・・あぁ、もうほんとに可愛い。
もう高2になるのに160cmにぎりぎり足りない身長も
その身長にあわせたような
あどけなさが残りまくってる、幼い顔も。
淡いクリーム色の髪も。
頬がゆるむのを感じながら
ほら、早く行こう
と春をせかす。