楽園の炎
その頃、ナスル姫は内宮を走っていた。
昨日見つけたメダルのことを、皇太子に話すつもりだったのに、慣れない市歩きで、思ったより疲れてしまったようだ。
話をする前に、いつの間にか眠ってしまった。
そのため、今日の朝から皇太子をたたき起こし、話をしていたのだ。
皇太子も、メダルを見るなり、顔色を変えた。
ナスル姫から詳しく話を聞き、今裁かれているユウという商人についても、細かく尋ねられた。
だがやはり、ナスル姫も詳しくは知らないし、二人で話をしていても、埒があかない。
ということで、急ぎ裁判を中止し、ユウなる商人から話を聞くことにしたのだ。
が、すでに裁判は始まっている。
ほぼ裁可は決まっているのだから、時間はかからないだろう。
そこで皇太子は、すぐにナスル姫を神殿にやったのだ。
ナスル姫の足は速い。
本気で走れば、兵士たちでさえ簡単には追いつけない速さなのだ。
皇太子の命を受け、ナスル姫は神殿へと急いでいるのだった。
内宮を駆け抜け、外宮に飛び込み、辺りをきょろきょろとしながら走っていたナスル姫は、前方に蹲る朱夏に気づいた。
神殿の場所を聞こうと駆け寄った姫は、真っ青な朱夏に驚いた。
「朱夏! どうしたの? 気分が悪いの?」
いきなり目の前に現れたナスル姫に、朱夏は震えながらも口を開いた。
「ああ・・・・・・ナスル姫様。お願いです。ユウを・・・・・・ユウを助けて・・・・・・」
昨日見つけたメダルのことを、皇太子に話すつもりだったのに、慣れない市歩きで、思ったより疲れてしまったようだ。
話をする前に、いつの間にか眠ってしまった。
そのため、今日の朝から皇太子をたたき起こし、話をしていたのだ。
皇太子も、メダルを見るなり、顔色を変えた。
ナスル姫から詳しく話を聞き、今裁かれているユウという商人についても、細かく尋ねられた。
だがやはり、ナスル姫も詳しくは知らないし、二人で話をしていても、埒があかない。
ということで、急ぎ裁判を中止し、ユウなる商人から話を聞くことにしたのだ。
が、すでに裁判は始まっている。
ほぼ裁可は決まっているのだから、時間はかからないだろう。
そこで皇太子は、すぐにナスル姫を神殿にやったのだ。
ナスル姫の足は速い。
本気で走れば、兵士たちでさえ簡単には追いつけない速さなのだ。
皇太子の命を受け、ナスル姫は神殿へと急いでいるのだった。
内宮を駆け抜け、外宮に飛び込み、辺りをきょろきょろとしながら走っていたナスル姫は、前方に蹲る朱夏に気づいた。
神殿の場所を聞こうと駆け寄った姫は、真っ青な朱夏に驚いた。
「朱夏! どうしたの? 気分が悪いの?」
いきなり目の前に現れたナスル姫に、朱夏は震えながらも口を開いた。
「ああ・・・・・・ナスル姫様。お願いです。ユウを・・・・・・ユウを助けて・・・・・・」