楽園の炎
「失礼ね! 確かに食べ物のほうが、あたしは有り難いけど。わざわざこれを、持ってきたの?」
悔しいが憂杏の言うとおり、綺麗ではあるが、こういうものに興味はない。
感動するのも、一瞬だ。
「お前のその素直なところが、可愛いところだ。食いモンなら、母上のところに蒸かし饅頭を持って行ったから、それをもらうといい。これはたまたま、市で見つけたんだ。珍しいもんだし、折角だから、な」
ぐりぐりと頭を撫でる憂杏に、朱夏は、ふぅん、と呟いた。
「そろそろ、また旅に出るの?」
母親である桂枝のところにも行ったのなら、その可能性もある。
見上げる朱夏に、憂杏は、にやっと笑った。
「そうだなぁ。でも今回は、またククルカンの隊が帰るときに、一緒に移動しようかと思ってるんだな。婚礼の隊になるのかねぇ」
「婚礼?」
ナスル姫と憂杏の、だろうか。
もしかして、憂杏はもうナスル姫と結婚する気なのかな? と思っていると、憂杏が、いつものようににやにやと、顎をさすりながら朱夏を小突いた。
「何すっとぼけてるんだ。ユウに求婚されたんだろ。当然、受けるよな?」
「あ、ああ。あー、そっちね・・・・・・」
悔しいが憂杏の言うとおり、綺麗ではあるが、こういうものに興味はない。
感動するのも、一瞬だ。
「お前のその素直なところが、可愛いところだ。食いモンなら、母上のところに蒸かし饅頭を持って行ったから、それをもらうといい。これはたまたま、市で見つけたんだ。珍しいもんだし、折角だから、な」
ぐりぐりと頭を撫でる憂杏に、朱夏は、ふぅん、と呟いた。
「そろそろ、また旅に出るの?」
母親である桂枝のところにも行ったのなら、その可能性もある。
見上げる朱夏に、憂杏は、にやっと笑った。
「そうだなぁ。でも今回は、またククルカンの隊が帰るときに、一緒に移動しようかと思ってるんだな。婚礼の隊になるのかねぇ」
「婚礼?」
ナスル姫と憂杏の、だろうか。
もしかして、憂杏はもうナスル姫と結婚する気なのかな? と思っていると、憂杏が、いつものようににやにやと、顎をさすりながら朱夏を小突いた。
「何すっとぼけてるんだ。ユウに求婚されたんだろ。当然、受けるよな?」
「あ、ああ。あー、そっちね・・・・・・」