楽園の炎
「私が相手をしよう」
外套を取る葵に、夕星が僅かに目を細める。
剣を取り、二人は稽古場の中央で向かい合った。
一礼し、軽く剣先を合わす。
ぱっと葵が距離を取る。
夕星は動かない。
それどころか、構えを解いた。
降ろした片手で剣を持ったまま、目だけで葵を追う。
---誘いか?---
見たこともない体勢に、葵は警戒心を募らせる。
夕星に向けた剣先を僅かに揺らせ、こちらから誘いをかけてみるが、夕星は乗ってこない。
しん、と辺りは静まり返った。
耳が痛いほどの沈黙に耐えかね、葵は息を詰めると、一気に踏み出した。
一瞬で夕星の背後に回り、そのまま間髪入れずに剣を振り下ろす。
ガッという鈍い音が響いた。
誰もが皆、何が起こったのかわからず、息をするのも忘れて中央の二人に見入った。
葵が一瞬のうちに、夕星の背後に回ったまでは見えていた。
背後を取られたら、致命的だ。
誰もがそう思った。
しかも、その時点でも、夕星は動いていなかったのだ。
外套を取る葵に、夕星が僅かに目を細める。
剣を取り、二人は稽古場の中央で向かい合った。
一礼し、軽く剣先を合わす。
ぱっと葵が距離を取る。
夕星は動かない。
それどころか、構えを解いた。
降ろした片手で剣を持ったまま、目だけで葵を追う。
---誘いか?---
見たこともない体勢に、葵は警戒心を募らせる。
夕星に向けた剣先を僅かに揺らせ、こちらから誘いをかけてみるが、夕星は乗ってこない。
しん、と辺りは静まり返った。
耳が痛いほどの沈黙に耐えかね、葵は息を詰めると、一気に踏み出した。
一瞬で夕星の背後に回り、そのまま間髪入れずに剣を振り下ろす。
ガッという鈍い音が響いた。
誰もが皆、何が起こったのかわからず、息をするのも忘れて中央の二人に見入った。
葵が一瞬のうちに、夕星の背後に回ったまでは見えていた。
背後を取られたら、致命的だ。
誰もがそう思った。
しかも、その時点でも、夕星は動いていなかったのだ。