楽園の炎
「・・・・・・あなたは、散々いろんな人に会った上で、朱夏を選んだというわけですか」
ぽんと背中を叩く夕星を見て、葵は言った。
夕星は、軽く肩を竦める。
「まぁな。俺は特に、世継ぎの皇子じゃないし。単純に好きになった女が、たまたま身分的にも不足してなかっただけだ。別に葵王だって、妃としての資質とか、そういうものまで考えた上で、人と付き合う必要はないぜ。まずは自分が惹かれるかどうかが大事だしな」
ふむふむ、と真剣に耳を傾ける葵の横で、朱夏は一人で赤くなって俯いた。
あまりにさらりと言っているので気づかないが、朱夏的には、なかなか恥ずかしいことを言っている。
「そうかぁ。何か、今から妃を捜すとなると、どうしても自分の気持ちどうこうより、妃としてどうか、っていうところから入ってしまうような気がしますが。そうですよねぇ。頭からの政略結婚でもない限りは、やっぱり惹かれる人と結ばれたいですもんね」
言いながら、葵はにこりと朱夏に笑いかけた。
「ね、だったらやっぱり、ナスル姫様のことは、残念だったと思う? 政略結婚といえばそうだけど、葵だって、それなりに惹かれてたんじゃない?」
何となく葵が心配になって、朱夏は思わず身を乗り出した。
ぽんと背中を叩く夕星を見て、葵は言った。
夕星は、軽く肩を竦める。
「まぁな。俺は特に、世継ぎの皇子じゃないし。単純に好きになった女が、たまたま身分的にも不足してなかっただけだ。別に葵王だって、妃としての資質とか、そういうものまで考えた上で、人と付き合う必要はないぜ。まずは自分が惹かれるかどうかが大事だしな」
ふむふむ、と真剣に耳を傾ける葵の横で、朱夏は一人で赤くなって俯いた。
あまりにさらりと言っているので気づかないが、朱夏的には、なかなか恥ずかしいことを言っている。
「そうかぁ。何か、今から妃を捜すとなると、どうしても自分の気持ちどうこうより、妃としてどうか、っていうところから入ってしまうような気がしますが。そうですよねぇ。頭からの政略結婚でもない限りは、やっぱり惹かれる人と結ばれたいですもんね」
言いながら、葵はにこりと朱夏に笑いかけた。
「ね、だったらやっぱり、ナスル姫様のことは、残念だったと思う? 政略結婚といえばそうだけど、葵だって、それなりに惹かれてたんじゃない?」
何となく葵が心配になって、朱夏は思わず身を乗り出した。