楽園の炎
「んん、あたしも料理はできないもの。生活自体は、多分大丈夫だけど・・・・・・。あ、料理は憂杏ができるから、いいのか」
そう考えると、憂杏と結婚しても、朱夏なら何とかなりそうだ。
「各国を旅して回るのも、面白そうだし・・・・・・。ナスル姫も、その辺りは好きなんじゃないかしら? 向上心もあるし。料理だって、きっとやる気になれば、覚えるはずよ。お菓子も作るぐらいだもの」
「お菓子?」
あ、と朱夏は、一瞬動きを止めた。
でもお菓子を作ったということだけなら、言っても問題ないはずだ。
「うん。前に、ナスル姫様がお菓子作ってくれたの。焼き菓子だったんだけど、確かククルカンでは、女の子が初めに教わるお菓子だとか言ってたな。お茶もご自分で工夫して、お茶っ葉作ってらっしゃるし、料理はお好きだと思う」
桂枝は驚いたように、朱夏の身体をさする手を止めた。
「・・・・・・意外ですわ。あのような深窓のお姫様が、お料理なさるとは」
「だから、ナスル姫に関しては、大丈夫よ」
言いながら身を起こした朱夏の身体を、桂枝が布でくるんだ。
あ、と、朱夏は包まれた布で身体を拭きながら、桂枝を見た。
単純な生活のことしか考えていなかったが、こういった身の回りのことはどうだろう。
朱夏が身体を拭いている間に、桂枝は手際良く夜着を用意し、朱夏の髪を拭く。
幼子ではないのだから、一人でできないことはないが、今までは当たり前に、周りには侍女が控えてい、細々した身の回りの世話を焼いてくれている。
それがいきなり一人もいなくなり、全て自分でしなければならなくなっても、ナスル姫は大丈夫だろうか。
そう考えると、憂杏と結婚しても、朱夏なら何とかなりそうだ。
「各国を旅して回るのも、面白そうだし・・・・・・。ナスル姫も、その辺りは好きなんじゃないかしら? 向上心もあるし。料理だって、きっとやる気になれば、覚えるはずよ。お菓子も作るぐらいだもの」
「お菓子?」
あ、と朱夏は、一瞬動きを止めた。
でもお菓子を作ったということだけなら、言っても問題ないはずだ。
「うん。前に、ナスル姫様がお菓子作ってくれたの。焼き菓子だったんだけど、確かククルカンでは、女の子が初めに教わるお菓子だとか言ってたな。お茶もご自分で工夫して、お茶っ葉作ってらっしゃるし、料理はお好きだと思う」
桂枝は驚いたように、朱夏の身体をさする手を止めた。
「・・・・・・意外ですわ。あのような深窓のお姫様が、お料理なさるとは」
「だから、ナスル姫に関しては、大丈夫よ」
言いながら身を起こした朱夏の身体を、桂枝が布でくるんだ。
あ、と、朱夏は包まれた布で身体を拭きながら、桂枝を見た。
単純な生活のことしか考えていなかったが、こういった身の回りのことはどうだろう。
朱夏が身体を拭いている間に、桂枝は手際良く夜着を用意し、朱夏の髪を拭く。
幼子ではないのだから、一人でできないことはないが、今までは当たり前に、周りには侍女が控えてい、細々した身の回りの世話を焼いてくれている。
それがいきなり一人もいなくなり、全て自分でしなければならなくなっても、ナスル姫は大丈夫だろうか。