楽園の炎
「大体ね、ちょっと打ち込まれたぐらいでびびっちゃって、どうする・・・・・・」
「葵王(ギオウ)様!」
回廊で二人が言い合っていると、不意に鋭い声が朱夏の声を遮った。
ちなみにギオウとは、葵の正式な名前である。
「まぁまぁ、またこんなに傷を負われて・・・・・・。朱夏! 葵王様は、お前のように頑丈ではないのだから、よく考えてお相手なさい。そもそも、王子様にこんな傷をつけて、いいと思っているのですか。お前とは、身分からして違うのですからね。ちょっとは遠慮というものを・・・・・・」
「実戦では、敵は遠慮なんて、してくれないわよ。強くなりたくないんだったら別にいいけど、そんな子には、教えるだけ無駄だわ」
葵の乱れた衣装を直しながら、くどくどと小言を垂れる侍女は、悪びれた様子もなくぴしゃりと言ってのけた朱夏に、黙り込んだ。
だが次の瞬間には、顔を真っ赤にして、目をつり上げる。
「・・・・・・んまあぁぁ! こ、子供の癖に、何て生意気なっ! 大体お前は、女の癖に、そのような出で立ちで! 恥ずかしくないのですかっ!!」
通常女子の衣装というのは、薄い布を複雑に重ねたり、とりどりの細い組紐を巻き付けたりして美しさを出した、リンズというものだ。
リンズは好きなように布や紐を組み合わせるため、より自分に似合うよう、より個性的に、自分なりにアレンジできる。
当然使う布の大きさなども、自由なのだが。
「葵王(ギオウ)様!」
回廊で二人が言い合っていると、不意に鋭い声が朱夏の声を遮った。
ちなみにギオウとは、葵の正式な名前である。
「まぁまぁ、またこんなに傷を負われて・・・・・・。朱夏! 葵王様は、お前のように頑丈ではないのだから、よく考えてお相手なさい。そもそも、王子様にこんな傷をつけて、いいと思っているのですか。お前とは、身分からして違うのですからね。ちょっとは遠慮というものを・・・・・・」
「実戦では、敵は遠慮なんて、してくれないわよ。強くなりたくないんだったら別にいいけど、そんな子には、教えるだけ無駄だわ」
葵の乱れた衣装を直しながら、くどくどと小言を垂れる侍女は、悪びれた様子もなくぴしゃりと言ってのけた朱夏に、黙り込んだ。
だが次の瞬間には、顔を真っ赤にして、目をつり上げる。
「・・・・・・んまあぁぁ! こ、子供の癖に、何て生意気なっ! 大体お前は、女の癖に、そのような出で立ちで! 恥ずかしくないのですかっ!!」
通常女子の衣装というのは、薄い布を複雑に重ねたり、とりどりの細い組紐を巻き付けたりして美しさを出した、リンズというものだ。
リンズは好きなように布や紐を組み合わせるため、より自分に似合うよう、より個性的に、自分なりにアレンジできる。
当然使う布の大きさなども、自由なのだが。