楽園の炎
第二十一章
「えいっ」
突き出された朱夏の剣を、夕星が弾く。
「浅いな。こんな軽い剣じゃ、ちょいと力入れりゃ、飛ばされるぜ」
弾かれた剣をすぐに握り直し、再び朱夏は、余裕顔の夕星に斬り込む。
力は先程言われたとおり、どうしても軽くなる。
その代わり、速さを倍加した。
「うわっと」
相当な速さの攻撃に、さすがの夕星も、ちょっと驚く。
「どうよ? この速さなら、いちいち弾いてられないでしょ?」
「そうだな」
真顔になった夕星に、ちょっと満足そうに言いながら、朱夏は夕星を追い詰める。
朱夏と夕星が、一緒に兵士の訓練に参加するのは、最近の恒例だが、朱夏が夕星を相手にするのは、今日が初めてだ。
お互い遠慮してしまうから、という理由だったのだが、今日は朱夏が、夕星を指名したのだ。
今までの遠慮が嘘のように、朱夏は真剣に夕星に打ち込む。
他の誰より強い夕星相手の試合は、他の兵士が見たこともないような激しさだ。
皆、息を呑んで二人を見つめている。
突き出された朱夏の剣を、夕星が弾く。
「浅いな。こんな軽い剣じゃ、ちょいと力入れりゃ、飛ばされるぜ」
弾かれた剣をすぐに握り直し、再び朱夏は、余裕顔の夕星に斬り込む。
力は先程言われたとおり、どうしても軽くなる。
その代わり、速さを倍加した。
「うわっと」
相当な速さの攻撃に、さすがの夕星も、ちょっと驚く。
「どうよ? この速さなら、いちいち弾いてられないでしょ?」
「そうだな」
真顔になった夕星に、ちょっと満足そうに言いながら、朱夏は夕星を追い詰める。
朱夏と夕星が、一緒に兵士の訓練に参加するのは、最近の恒例だが、朱夏が夕星を相手にするのは、今日が初めてだ。
お互い遠慮してしまうから、という理由だったのだが、今日は朱夏が、夕星を指名したのだ。
今までの遠慮が嘘のように、朱夏は真剣に夕星に打ち込む。
他の誰より強い夕星相手の試合は、他の兵士が見たこともないような激しさだ。
皆、息を呑んで二人を見つめている。