楽園の炎
「やるなぁ、朱夏。まさか投げ飛ばされるとはね」
周りの兵士たちからも、ぱちぱちと拍手が起こる。
「凄かったです。夫婦喧嘩は、さぞや恐ろしいことになるでしょうな」
「まだまだっ!」
和みそうになった空気を切り裂き、朱夏は頭から夕星に突っ込んだ。
完全に油断していたと思ったのに、夕星は一瞬で体勢を整え、朱夏を受け止める。
傍(はた)から見たら、簡単に倒れそうなのに、夕星は倒れず、朱夏を抑え込んだ。
「気の立った猫のようだな。それっ」
朱夏の腰を掴んだまま、今度は夕星が素早く足を払った。
「あっ」
朱夏の身体が一瞬宙に浮き、横倒しに倒れる。
が、地に倒れ込む前に、夕星の腕に力が入り、地面に叩き付けられることなく、ふわりと押し倒された。
「どうだ? 降参か?」
上から覗き込む夕星に、朱夏はきょろきょろと隙を捜す。
だが、ちょっと考えて、こくりと頷いた。
夕星は、にやりと笑うと、朱夏の上から身体を起こした。
「さすがの朱夏様も、夕星様には敵いませんか」
あまりの凄まじさに、ちょっと引いていた隊長が、息をついて言った。
朱夏は起き上がりながら、ちらりと夕星を見る。
「ユウ、本気出してないでしょ」
周りの兵士たちからも、ぱちぱちと拍手が起こる。
「凄かったです。夫婦喧嘩は、さぞや恐ろしいことになるでしょうな」
「まだまだっ!」
和みそうになった空気を切り裂き、朱夏は頭から夕星に突っ込んだ。
完全に油断していたと思ったのに、夕星は一瞬で体勢を整え、朱夏を受け止める。
傍(はた)から見たら、簡単に倒れそうなのに、夕星は倒れず、朱夏を抑え込んだ。
「気の立った猫のようだな。それっ」
朱夏の腰を掴んだまま、今度は夕星が素早く足を払った。
「あっ」
朱夏の身体が一瞬宙に浮き、横倒しに倒れる。
が、地に倒れ込む前に、夕星の腕に力が入り、地面に叩き付けられることなく、ふわりと押し倒された。
「どうだ? 降参か?」
上から覗き込む夕星に、朱夏はきょろきょろと隙を捜す。
だが、ちょっと考えて、こくりと頷いた。
夕星は、にやりと笑うと、朱夏の上から身体を起こした。
「さすがの朱夏様も、夕星様には敵いませんか」
あまりの凄まじさに、ちょっと引いていた隊長が、息をついて言った。
朱夏は起き上がりながら、ちらりと夕星を見る。
「ユウ、本気出してないでしょ」