楽園の炎
稽古場の隅で、軽く水を浴びた夕星と共に、三人は内宮に向かった。
「あたし、先に宝瓶宮に戻ってるね」
曲がり角で言った朱夏に、ナスル姫が飛びつく。
「ええ? 一緒に来ないの?」
「いや、だって、稽古で汗かいてますし。ユウは水浴びたけど、あたしはさすがに、あそこで水浴びは、できませんので」
「そか。じゃ、後でね」
ちょっと考え、ナスル姫は朱夏に手を振り、憂杏の傍に戻った。
「別に俺も、行かないでも良いような気がするなぁ」
ぽつりと聞こえた声に顔を上げれば、夕星が濡れた髪を掻き上げながら、面倒くさそうに前方の二人を眺めている。
「けどま、‘商人’を勝手に内宮に入れるわけにはいかんしな」
ふぅ、と息をつき、結局夕星は、だるそうに歩いていった。
「あたし、先に宝瓶宮に戻ってるね」
曲がり角で言った朱夏に、ナスル姫が飛びつく。
「ええ? 一緒に来ないの?」
「いや、だって、稽古で汗かいてますし。ユウは水浴びたけど、あたしはさすがに、あそこで水浴びは、できませんので」
「そか。じゃ、後でね」
ちょっと考え、ナスル姫は朱夏に手を振り、憂杏の傍に戻った。
「別に俺も、行かないでも良いような気がするなぁ」
ぽつりと聞こえた声に顔を上げれば、夕星が濡れた髪を掻き上げながら、面倒くさそうに前方の二人を眺めている。
「けどま、‘商人’を勝手に内宮に入れるわけにはいかんしな」
ふぅ、と息をつき、結局夕星は、だるそうに歩いていった。