楽園の炎
王宮の正門前の広場には、すでにククルカン兵が揃っていた。
大国の規律正しい大軍が、びしっと整列している様子は圧巻である。
その隅のほうに、憂杏とナスル姫、葵の姿を見つけ、朱夏はそちらに駆け寄った。
「朱夏、遅かったね。まぁ朱夏は、特別な旅だもんねぇ」
葵が、傍に来た朱夏の頭を、ぐりぐり撫でる。
葵も一緒にククルカンに行くのだが、単純に楽しそうだ。
「目が赤いよ。やっぱり、寂しい?」
ぼそ、と葵が、朱夏を覗き込んで言う。
朱夏は、素直にこくんと頷いた。
「大丈夫だって。すぐに炎駒殿も、来てくれるよ。僕もいるし、アルもいるだろ?」
「うん。葵がいてくれて良かった」
「ククルカンに着いたらさ、朱夏も一緒に、いろんなところ、見て回ろうよ。いずれコアトルの港町に行くんだったら、各国の情勢とかを知っておいたほうが、きっと良いよ」
明るく言う葵に、朱夏の心も明るくなる。
「面白そうね。そうよね、いろんなところを見られるのは、楽しみだわ」
住み慣れた国を出るのも、父と離れるのも悲しかったが、先には楽しみもあるのだ。
「ありがと、葵」
朱夏は葵に笑いかけた。
大国の規律正しい大軍が、びしっと整列している様子は圧巻である。
その隅のほうに、憂杏とナスル姫、葵の姿を見つけ、朱夏はそちらに駆け寄った。
「朱夏、遅かったね。まぁ朱夏は、特別な旅だもんねぇ」
葵が、傍に来た朱夏の頭を、ぐりぐり撫でる。
葵も一緒にククルカンに行くのだが、単純に楽しそうだ。
「目が赤いよ。やっぱり、寂しい?」
ぼそ、と葵が、朱夏を覗き込んで言う。
朱夏は、素直にこくんと頷いた。
「大丈夫だって。すぐに炎駒殿も、来てくれるよ。僕もいるし、アルもいるだろ?」
「うん。葵がいてくれて良かった」
「ククルカンに着いたらさ、朱夏も一緒に、いろんなところ、見て回ろうよ。いずれコアトルの港町に行くんだったら、各国の情勢とかを知っておいたほうが、きっと良いよ」
明るく言う葵に、朱夏の心も明るくなる。
「面白そうね。そうよね、いろんなところを見られるのは、楽しみだわ」
住み慣れた国を出るのも、父と離れるのも悲しかったが、先には楽しみもあるのだ。
「ありがと、葵」
朱夏は葵に笑いかけた。